東京地裁R8.2.26
①男性社員が深夜の飲み会の席で後輩女性との性行為を示唆する発言をし、後輩女性もこれを聴いた。そして解散後、後輩女性の拒否にもかかわらず、タクシーで自宅付近まで同行。後輩女性はキスをすれば満足して帰ると思い、男性社員にキスをしたうえで帰るように告げたが、男性社員は女性の自宅マンション前についた後も、入口前で立ち止まって待ち受け、強い恐怖を与えた。
②しかも、その後、この後輩女性について「低学歴」「調子に乗っている」などと複数回、同僚に述べ、また上司に、後輩女性が「ルーティーン業務のやる気がない」「やりたがらない」などと誇張する内容を伝えて後輩女性が上司から強く叱責される事態を招いた。
③さらに、人事部が女性の相談を受けてこれらの事実関係の調査を開始することを知った後、同僚らを昼食に誘って自分に有利な供述をするように依頼し、応じなければ不利益が及ぶと示唆して口裏合わせをした。 会社はこの男性社員を懲戒解雇。
→①②はハラスメントにあたり懲戒事由にあたる。
また、③についても、就業規則において遵守が義務付けられたハラスメント禁止ポリシーにおいて、会社による調査に当たり従業員には調査への協力や秘密保持の義務を課す旨が定められていることからすれば、正式な人事部による社内調査の開始前であっても、従業員は口裏合わせ等の証拠隠滅行為をしてはならない義務を労働契約上負っているものと解するのが相当であり、懲戒事由にあたる。
そして、各行為の重大性や、会社が自己のハラスメント等の事実について口裏合わせまでするような従業員との雇用関係を維持できないと考えることはやむを得ないこととであること、過去にもチャットに問題のある投稿をして厳重注意を受けていたこと、本件の各懲戒事由の多くを否定して全く反省の態度を示しておらず、改善の見込みがないこと等の事情も考慮すると、懲戒解雇は社会通念上相当。
懲戒解雇有効と判断。





