高松高裁R8.7.7
大学が就業規則に「労使協定を締結し、専門業務型裁量労働制を適用する。」と定めた。
→専門業務型裁量労働制に関する労使協定は、その制度の導入を労働基準法上適法とする効果を有するにすぎない。
個々の労働者との間の労働契約において、裁量労働制による労働時間のみなしの効果を発生させるためには、就業規則等において、労働時間を擬制する旨の規定を設ける必要がある。就業規則等において、最低限、「専門業務型裁量労働制の適用を受ける労働者が所定労働日に勤務した場合には、実際の労働時間にかかわらず、労使協定により定められた時間労働したものとみなす。」というような規定を設ける必要がある。
ところが、本件就業規則には、「教育職員については、労使協定を締結し、専門業務型裁量労働制を適用する。」という規定しかない。大学は、この文言が、労使協定により定められた時間労働したものとみなすという意味であることが明白であると主張するが、明白とはいえない。少なくとも、そのような不明確で分かりにくい文言を採用したことによる不利益は、就業規則を作成した使用者たる大学が負うべきである。
したがって、仮に専門業務型裁量労働制に関する労使協定が有効であったとしても、個々の労働者との間の労働契約においては、労働時間のみなしの効果は発生しないと判断。
実労働時間で計算した割増賃金の支払いを命じた。
裁判所が、就業規則の文言について、
・不明確で分かりにくい
・その不利益は使用者が負うべき
と明確に指摘した事案です。
こういうことにならないように、就業規則の作成・変更は必ずプロに依頼しましょう。





