東京地裁立川支部R5.8.9
引越運送会社が運転手の給与について、基本給等のほか、以下の通り売上額に応じた業績給を支給する旨定めた。そのうえで、業績給部分については労基法施行規則19条6号の出来高払制賃金と扱い、割増賃金を1.25分ではなく0.25分のみ支払うと規定。
売上額 業績給
100万円未満 売上額の5%
100万円以上 60,000円
150万円以上 75,000円
200万円以上 90,000円
250万円以上 105,000円
300万円以上 120,000円
350万円以上 135,000円
400万円以上 150,000円
500万円以上 170,000円
→現業職の労働の成果とは作業量や運転距離である。売上額は営業職と顧客との交渉により決定され、現業職の労働の成果と必ずしも連動しない。
さらに、売上給は、現業職が配車係から案件の割当てを受けて得られる賃金であるが、配車について客観的な基準はなく、現業職の自助努力が反映される賃金とはいい難い。また、売上額が現業職には示されておらず、売上給には上限があるなど、現業職に対するインセンティブとしての機能も限定的であった。
現業職としては結局のところ、売上額にかかわらず、専ら配車係の指示する案件の割当てに従って決められた作業をするほかなかったといえる。したがって、売上給は、現業職の成果に応じた賃金と実質的に評価することはできず、出来高払制賃金に該当するとは認められないと判断。