東京地裁H31.3.25
派遣会社が、就業規則で退職後に自社の機密情報を利用することの禁止を定めた。これに退職者が違反したとして損害賠償請求
→会社のパソコンの共有フォルダ「社内規程」内に「契約社員就業規則」、「正社員就業規則」、「派遣社員就業規則」という名称の電子ファイルを保存していたことは認められる。
しかし、会社が従業員に、就業規則を保存した場所やその内容を確認する方法について説明していたとは認められない。
また、これらの電子ファイルが、裁判所に提出された就業規則と同じものかも判然としない。
就業規則は周知等がされておらず、従業員に対して効力は及ばないと判断
就業規則の周知については、正しく周知することだけでなく、周知したことの証拠確保も意識して行っておく必要があります。
パソコンの共有フォルダに保存する方法で周知するのであれば、
①労働条件通知書において就業規則の確認方法、保管フォルダ等を明示する、
②就業規則の確認方法をメールで通知するなどの方法で、 労働者に確認方法を伝えたことについても証拠を確保することが必要です。
また、ポストの裁判例からもわかるように、保存されたデータと実際の就業規則の内容の同一性についても証拠を確保しておく必要があります。例えば、保存する際のファイル名を「令和〇年就業規則 令和〇年〇月〇日付届出分」などとすることで、電子ファイルで保存された就業規則が労働基準監督署長への届出分と同一であることについても記録を残すことを意識すべきでしょう。
そのうえで、電子ファイルの保管状況についてスクリーンショットを撮っておくなどの方法が考えられます。
私の新刊書籍「裁判例に学ぶ就業規則-勝敗を分けた規定と整備の実務」では、【43】の項目で、就業規則の周知について、周知の方法ごとに証拠の取り方等を解説していますのでお持ちの方はご参照ください。





