判例・裁判例コラム

休職者が産業医の面談は圧迫面接だと主張した事案

名古屋地裁R3.8.23

うつ病による休職からの復職後、再度休職となり、その後復職が認められずに解雇された従業員が、解雇は無効と主張して会社を提訴。その中で、再休職からの復職判断の過程で行われた会社担当者や産業医らによる面談が、再出勤を認めないための圧迫面接であると主張した

→複数回にわたり精神疾患により休職し、休職が長期に渡っていた経緯からすれば、従業員がリワーク施設でのプログラムでの結果を理由に会社業務が行えるとの認識でいることについて、リワークプログラムと会社の業務では負担が大きく異なると伝えて従業員の認識の甘さを指摘することや、従業員に対して雇用契約上求められる業務を行うことが必要であり、それができないのであれば会社で仕事を続けることはできないと告げ、従業員の置かれた状況を認識させることが不当なことであるとはいえない、産業医の発言が社会的相当性を逸脱するような態様でなされたとも認められないと判断

不備のある定額残業代を就業規則変更によって有効にできる?前のページ

裁量労働制であれば生活リズムが整っていなくても復職できる?次のページ

ピックアップ記事

  1. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…
  2. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…
  3. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  4. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  5. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    職種限定合意がある従業員に対する配転命令

    最高裁R6.4.26社会福祉法人が福祉用具の改造・製作を行う技術者を…

  2. 判例・裁判例コラム

    適応障害による休職からの復職にあたり賃金を減額した事案

    東京地裁R5.12.28適応障害による休職からの復職にあたり、賃金が…

  3. 判例・裁判例コラム

    賃金規程に基づいてした給与等級引き下げの効力について判断された事例

    東京高裁H19.2.22年功型賃金から成果主義賃金への変更にあたり、…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    調剤薬局で患者の感情を害する言動をする薬剤師を解雇した事案
  2. 判例・裁判例コラム

    犯罪を犯したとして起訴され、起訴休職期間満了で解雇された職員が、不当な起訴であり…
  3. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6.5.15)

    判例・裁判例コラム

    労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  4. 判例・裁判例コラム

    適応障害による休職からの復職にあたり賃金を減額した事案
  5. 判例・裁判例コラム

    雇用契約書に明記した固定残業代の主張が認められなかった事例
PAGE TOP