判例・裁判例コラム

定年後再雇用 有期雇用の更新時に転勤を命じることの可否

🚨定年後再雇用社員が更新時に賃下げor遠方勤務。応じなければ雇止め?→裁判所の結論はコレ!

山口地裁R2.4.3
会社が定年後に従業員を雇用期間1年の有期雇用で再雇用。1回目の更新の際に、従業員は更新を申し込んだが、会社は同じ条件では更新できないとして3つの案を提案。第1案、第2案は従来と時間単価は変わらないが時間が減ることから給与総額が3万円~4.5万円減る内容、第3案は給与は変わらないが就労場所が従業員在住の市にある事業所から別の市にある事業所に変更になる内容だった。従業員がこれに応じなかったため、会社は雇用を終了した
→第1案及び第2案は、いずれも給与総額が減少するものであり、明らかに条件が悪くなっており、しかも、そのように変更することについて具体的な理由が明らかになっていない。また、第3案については、給与額には変動はないものの、通勤等の条件が悪くなっており、これについても特に具体的な変更の理由が明らかでない。会社は就業規則に転勤命令権の条項があることを主張するが、これは、労働契約が成立した後の配転命令権を定めたものであって、契約締結の段階とは次元を異にするから、この規定が、更新時に会社が勤務場所を変更することが許される理由にはならない。雇止め無効と判断。雇用が継続していることを確認し、会社に約650万円の支払命令

レジ金横領を理由とする解雇前のページ

ピックアップ記事

  1. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…
  2. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…
  3. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  4. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  5. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    在宅勤務の権利を主張し、出社指示に従わない従業員の解雇

    東京地裁R7.1.15ソフトウェアに関する技術指導などを事業とする会…

  2. 判例・裁判例コラム

    日報を提出しない従業員に対するけん責処分

    東京地裁R6.5.30営業所長の再三の提出指示にもかかわらず、営業日…

  3. 判例・裁判例コラム

    35年以上続いた定期昇給を中止できる?

    東京地裁R5.10.30学校法人が35年以上行なってきた4月の定期昇…

  4. 判例・裁判例コラム

    ジョブ型雇用における能力不足解雇

    東京地裁R4.2.2欧州連合が日本で広報担当者を雇用したが、上司から…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    始業前の制服への着替え時間が労働時間にあたることが否定された事例
  2. 判例・裁判例コラム

    総合職にのみ社宅利用を認め、一般職には認めないことは間接性差別?
  3. 判例・裁判例コラム

    就業規則変更による勤務日変更の効力
  4. 判例・裁判例コラム

    精神疾患からの復職にあたり、配転命令を拒否する従業員への対応事例
  5. 判例・裁判例コラム

    重量8キロ以上あるコスチュームを着用してパレードに出演する業務に従事させることは…
PAGE TOP