判例・裁判例コラム

始業前の制服への着替え時間が労働時間にあたることが否定された事例

東京地裁R5.4.14
ビルにおいて設備機器の操作・保守を行う設備員が、始業前の制服への着替え時間が労働時間にあたるとして残業代請求
→設備員は、通勤時にはスーツを着用し、作業場所に到着した後、朝礼までにロッカー室で制服に着替えていた。しかし、設備員自身、会社の現場担当者から、出勤時には、余りにもだらしない服装はだめで、基本的にスーツ着用が望ましいと言われた旨を述べるにとどまる。そうすると、設備員の通勤時の服装に関する会社の指示はなく、設備員が単に慣習としてスーツで通勤したうえで始業前に着替えていたにすぎないとする会社の主張を排斥できない。会社が始業前に作業場所で制服に着替えることを義務付けていたとはいえず、始業前の着替えは労働時間には当たらないと判断

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