判例・裁判例コラム

自宅待機命令後の出社命令に応じない従業員!解雇が無効と判断された理由

東京地裁R7.4.30
理容店を経営する会社が、客からカットの内容についてクレームを受けた理容師がさらに客を罵倒したなどとして自宅待機を命じた。自宅待機中、理容師は自宅待機命令の解除時期を尋ね、また、給与の一部が未払いになっているとして支払を求めた。会社は約1ヶ月半後にこの理容師に出勤を命じた。これに対し、理容師は、給与が33万円か35万円かで以前から会社と紛争があったことから、出勤命令に応じるにあたって労働条件を書面にするよう求め続けた。しかし、会社はこれに応じないまま、出勤しないことを理由に理容師を普通解雇
→使用者は、法令上、労働契約の締結に際し、労働者に賃金等の労働条件を書面で明示しなければならない。就労中に賃金額をめぐって紛争が生じていたことからすれば、出勤命令に応じるにあたって労働条件を明示した書面の交付を求めたことは法令の趣旨に沿う正当な要求。会社が応じなかったことに合理的な理由はない。客からのクレームへの対応については、会社は、クレーム後も理容師が客に「何でいるんだ。客はお前だけじゃないんだ。早く帰れ。」などと罵倒したと主張するが、的確な証拠はない。解雇無効と判断。

賃金額に争いがあるから、明示要求に応じないという対応は不適切であり、争いがあるなら、会社が認識している賃金額で労働条件を明示して、出社を求めるべきでした。以下の裁判例も参考になります。
https://nishikawa-lawyer.com/227/

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