判例・裁判例コラム

部下提出の日報に「『意味不明、説明せよ』連発 →裁判所『人格攻撃でパワハラ』会社敗訴【長崎地裁】

長崎地方裁判所判決R7.10.3
取締役が、仕事がはかどっていないなどの問題があった課長に行動日報の作成を指示。
行動日報に「意味不明、説明せよ」「サボっても良い事は一つもない」 「無駄に悪態ついたことを反省して」 などとコメントを付けた。
→課長の仕事が必ずしもはかどっていなかったことからすれば、上司である取締役が行動日報の提出を求めること自体がパワハラとはいえない。
また、優先順位を考えて仕事をすべきことや、自分の仕事をマネジメントすることの必要性、上司に対する報告の必要性等を教示すること自体は、業務上必要な指示である。
しかし、取締役が行動日報に付していたコメントは、仮に、その一部につき内容自体は正当とみる余地があるものが含まれていたとしても、極めてぞんざいな文調のものや、課長が仕事をサボっているとか、悪態をついているなどと決めつけて課長を侮辱するもの等が多数含まれている。
コメントの内容、文調に加え、その頻度等を併せ考えれば、取締役によるコメントバックは、総じて、会社における20年近い課長のキャリアを全否定し、その人格を攻撃する叱責のための叱責等の域に達するものと評価すべきものであり、社会通念に照らし許容される範囲を超える言動と認めるのが相当。
上司から上記のとおりのコメントを頻繁に受けとることにより課長が被った精神的苦痛には相応のものがあったであろうことも容易に推認される。
このようなコメントバックは、総じて、パワハラに該当すると判断。

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