東京地裁R6.3.18
前職でデジタルマーケティングを約7年担当した経歴のある労働者を採用したが、能力不足と評価して業務改善計画(PIP)を実施。実施後も改善がされないため、退職勧奨したが、応じなかったため、普通解雇
→従業員の就労状況を踏まえるとPIPを実施したことは相当。
しかし、より踏み込んだ指導や教育をほどこす余地はあった。一例を挙げれば部長はPIP期間において単なる数字の報告にとどまらない「分析」を求めたが、従業員は求められる「分析」がいかなるものかを理解できないまま、「分析」とはいえないコメントを付けることを繰り返していた。また、PIP実施の過程で上長との面談等がどの程度行われ、会社が求める業務改善の具体的内容について従業員に共有されていたのか、従業員の取り組みについてどのようなフィードバッグがされていたのか等の詳細が証拠上明らかでない。
経験者として採用され、年収960万円と給与水準はそれなりに高いが、管理職でない一担当者にすぎず、入社から1年半程度しか経過していない。指導、教育が十分に行われた事実が認められず、解雇は無効であると判断