事件の概要
従業員が、会議への参加や業務の引き継ぎ等の業務命令に応じないため、まず、書面で業務命令を行った。しかし、それでも応じないので、書面による厳重注意をし、再度書面で同様の業務命令を出した。これにも応じないので、このままでは懲戒を検討せざるを得ないことを記載のうえ、言い分があるのであればメールで返信するか面談を希望するのであればその旨連絡してくださいとメールで連絡した。これに対して従業員から期限までに返信がなかったので、けん責の懲戒処分を行った。
そのうえで、再度同様の業務命令を書面で出した。しかし、それでも応じないので、書面による厳重注意をし、再度書面で同様の業務命令を出した。これにも応じないので、このままでは懲戒を検討せざるを得ないことを記載のうえ、言い分があるのであればメールで返信するか面談を希望するのであればその旨連絡してくださいとメールで連絡した。これに対して従業員から期限までに返信がなかったので、減給の懲戒処分を行った。
そのうえで、再度同様の業務命令を書面で出した。しかし、それでも応じないので、書面による厳重注意をし、再度書面で同様の業務命令を出した。これにも応じないので、このままでは懲戒を検討せざるを得ないことを記載のうえ、言い分があるのであればメールで返信するか面談を希望するのであればその旨連絡してくださいとメールで連絡した。これに対して従業員から期限までに返信がなかったので、5日間の出勤停止処分を行った。
そのうえで、再度同様の業務命令を書面で出した。しかし、それでも応じないので、書面による厳重注意をし、再度書面で同様の業務命令を出した。これにも応じないので、このままでは懲戒を検討せざるを得ないことを記載のうえ、言い分があるのであればメールで返信するか面談を希望するのであればその旨連絡してくださいとメールで連絡した。これに対して従業員から期限までに返信がなかったので、10日間の出勤停止処分を行った。
そのうえで、再度同様の業務命令を書面で出した。しかし、それでも応じないので、書面による厳重注意をし、再度書面で同様の業務命令を出した。これにも応じないので、このままでは懲戒を検討せざるを得ないことを記載のうえ、言い分があるのであればメールで返信するか面談を希望するのであればその旨連絡してくださいとメールで連絡した。これに対して従業員から期限までに返信がなかったので、会社から日を指定して面談に応じるように求めた。しかし、それにも応じないので、退職に応じるように通知し、応じない場合は解雇する予定であると通知した。
これに対し、従業員は会社に残りたいという内容の文書を送付してきたが、会社は再度退職届の提出を促し、応じなかったため普通解雇した。
裁判所の判断
従業員が業務命令に従わなかったことに対し、最も軽いけん責処分を行ってから順次段階を追って減給処分、5日間の出勤停止処分、10日間の出勤停止処分と重い処分を科して改善の機会を与えたことに加え、解雇に先だって退職勧奨をし、転職先を見つける猶予期間を設定したのであるから、解雇に社会通念上の相当性が認められる。解雇有効と判断。