判例・裁判例コラム

適応障害による休職からの復職にあたり賃金を減額した事案

東京地裁R5.12.28
適応障害による休職からの復職にあたり、賃金が減額されたのは無効と主張
→復職者が復職にあたり、名古屋支店から、実家から通勤可能な東京本社への異動を希望し、会社に地域限定勤務申請書を提出したこと、当該申請書には固定年俸月額5%相当額を毎月の賃金から控除する旨が記載されていたこと、会社がこの申請を認めて地域限定勤務が適用されたことが認められる。賃金減額はこの地域限定勤務の合意に伴うものであり有効と判断。

労働条件の不利益変更については以下で解説しています。併せてご参照いただければ幸いです。
https://kigyobengo.com/media/useful/1791.html

こういう事案では、賃金の減額について同意をもらう「同意書」をとるという対応をやりがちですが、労働法の世界では賃金の減額の同意については、自由な意思に基づく同意だったか、という点が常に争いになり得ます。単に「同意書」をとるのではなく、この事案のように、むしろ「申請書」を出してもらうことで、本人の希望による対応であったことを明確にしておくことが大切です。拙著「労使トラブル円満解決のための就業規則・関連書式作成ハンドブック」990ページで申請書のひな形を掲載して解説しています。

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