東京地裁R7.2.21
従業員が8月1日~9月30日の有給休暇届を8月30日に提出
→使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならないが(労働基準法39条5項)、労働者はその有する休暇日数の範囲内で具体的な休暇の始期と終期を特定して時季指定をすべきである。しかし、本件休暇届は、8月1日を始期、9月30日を終期として特定しながら、その始期の後である8月30日に提出されたものであるから、有効な時季指定と認めることはできない。
この点、労働者は、本件休暇届を提出した8月30日を始期とする申請は有効であると主張する。しかし、本件休暇届には8月1日を始期、9月30日を終期とする旨の記載があるのみであり、この申請が認められない場合に提出日を始期とする旨の記載はない。以上によれば、本件休暇届をもって、8月30日を始期とする時季指定をしたものと認めることはできない。よって、8月1日から9月30日の間に有給休暇を取得したとは認められないと判断