東京地裁R7.6.25
キャバクラ嬢(キャスト)が自分は業務委託ではなく労働者だと主張。深夜労働割増賃金等を請求した。ドレスを複数自前で用意し、社会保険料の控除を受けていないなどの事情があった。また、会社はキャストに営業活動について細かく指導することはしておらず、キャストは、勤務中に会社から接客を促されても、接客をしたくない場合は断ることが可能であった。
→キャストのシフトは、キャストが出勤を希望する日や時間を聞いた上で決定しており、前日までに変更を申し出ることも可能であった。しかし、遅刻や欠勤については、体調不良等の理由がない限り、ペナルティーとして罰金が科されていた。また、勤務時間はタイムカードにより管理されていた。男子スタッフとの風紀を乱す行為(食事、デート、店外で会う、連絡交換、交際等)の禁止等の禁止事項が定められ、破った場合、ペナルティーがあった。これらのことからすれば、仕事の依頼、諾否の自由を一定程度制限されるとともに、会社の指揮監督を受け、時間的拘束を受けていたといえる。また、接客業務の性質上当然のこととはいえ、業務の場所は店舗であり、場所的拘束を受けており、別の者による労務提供も認められておらず、代替性もなかった。そして、報酬支給は時給を基礎とした額が主であったから、接客という労務提供への対価と評価するのが相当。労働契約であると判断して割増賃金支払命令。





