判例・裁判例コラム

パワハラ主張を乱発して上司を畏怖させる従業員の解雇! 評価の“遠慮”と“やさしさ”が会社敗訴の遠因に!

東京地裁 R4.3.16
会社が従業員を普通解雇。解雇は無効であるとして訴えられた 。
→この従業員は、中途入社以降、多数の部署と上司を経験したものの、能力評価は常にBB以下と良い評価を受けていなかった。
また、上司からの注意指導に対しパワハラであるなどとして反発したり、周囲の若手社員等に対し強い態度に出て人間関係を悪化させるなど、他罰的な側面や攻撃的な側面が多く見られ、その結果、上司が委縮又は畏怖して適切な指導を行えない状況になっていたことがうかがわれる。
しかし、会社は、令和元年度の能力評価においてこの従業員をBCと評価しているところ、BC評価は「評価レベルを下回るが、本人の努力により標準的なレベルに到達する見込みのあるレベル」とされている。
また、上司も、同年度の能力評価(総合)において、「経験値もそれなりにあり、知識もあるので、自身の感情を上手にコントロールし、素直に業務に立ち向かうことで、改善の可能性はある」とコメントしていた。 このように、会社は、この従業員に改善の可能性があることを前提に指導をしてきたものということができる。解雇に値するほどの勤務態度、業務能率の不良又は協調性の欠如と認めることはできない。解雇無効と判断

いろいろな見方ができる事案だと思いますが、上司が、能力評価において、「経験値もそれなりにあり、知識もあるので、自身の感情を上手にコントロールし、素直に業務に立ち向かうことで、改善の可能性はある」とコメントしていたことも、解雇無効の理由付けの中で指摘されています。 しかし、「経験値もそれなりにあり、知識もある」としても、「自身の感情を上手にコントロールし、素直に業務に立ち向かうこと」ができず、裁判所の認定のように他罰的な側面や攻撃的な側面が多く見られる状態であれば、組織人として成り立っていないわけで、最低評価とすべき事案だったと思います。 西川としてはこのようなコメントや評価は不合理であり、評価に遠慮があったことが解雇無効の遠因になったのではないかと感じた事案です。以下の動画でもこの事例を解説していますのであわせてご覧いただければ幸いです。
https://youtu.be/AJeJhbFMGbQ?si=uJtreZ3hk6AcotN3

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