判例・裁判例コラム

奈良地裁H27.2.26

産科医の宿日直勤務。労基署長の断続的労働の許可を得たうえで宿日直手当1回2万円を支給。割増賃金は支払わず
→宿日直担当医は1名、宿日直時間の23%以上を業務に従事していたのだから、相当時間仮眠できたとしても断続的労働にあたらない。宿日直勤務全時間につき割増賃金支払命令

労基署長の宿日直許可を受けていたのに割増賃金の支払いを命じられた事案です。
宿日直勤務が労働時間にあたる場合でも、「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」について、労働基準監督署長の許可を受けた場合は、時間外労働・休日労働の割増賃金の支払義務の適用が除外されます(労働基準法施行規則23条)。しかし、同条の規定により時間外労働・休日労働の割増賃金の支払義務の適用を除外されるためには、①労働基準監督署長の許可を受けていることのほかに、②客観的にみて「断続的な業務」にあたることが必要です。許可を受けていても、客観的にみて「断続的な業務」と言えなければ、割増賃金の支払義務を除外されません。

パワハラ主張を乱発して上司を畏怖させる従業員の解雇! 評価の“遠慮”と“やさしさ”が会社敗訴の遠因に!前のページ

横浜地裁R3.11.30次のページ

ピックアップ記事

  1. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  2. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  3. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  4. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  5. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    試用期間中に逮捕・勾留された従業員を解雇した事案

    東京地裁R5.11.16建設会社に試用期間6か月、月給116…

  2. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)

    判例・裁判例コラム

    就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)

    事件の概要給与規程において、「業務内容の変更に伴い、その業務…

  3. 判例・裁判例コラム

    現勤務先の利益より、元勤務先への義理を優先してよい?

    東京地裁R6.10.23不動産売買を事業とする会社の従業員が…

  4. 判例・裁判例コラム

    入社前日の電話で内定が取消しに! それでも「有効」とされた理由とは?

    東京地裁R7.7.30 コロナ禍に眼科医院が30代の女性看護師に内定…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    事業者は従業員に対する労災支給決定の取り消しを求める訴訟を起こすことができるか?…
  2. 判例・裁判例コラム

    上司に「もう少し社会人としての能力をあげてください」とメールは懲戒事由?東京地裁…
  3. 判例・裁判例コラム

    過去のセクハラ発言を会社が問題視した取締役経験者を他社へ出向、さらに出向延長! …
  4. 判例・裁判例コラム

    ドライバーに売上の15%を支払う歩合給。売上は会社が決定するから出来高払制賃金に…
  5. 判例・裁判例コラム

    就業規則変更による勤務日変更の効力
PAGE TOP