判例・裁判例コラム

業績悪化で再雇用社員に勤務日削減の提示(週5→週3)⇒労働者が拒否して雇止め無効!バックペイ700万円の判決(横浜地裁)

横浜地裁R6.6.27
従業員10名程度の小規模会社で従業員が定年を迎えた。
会社は、定年後再雇用として、定年時の給与と同額の月約20万円、週5日、期間1年の有期雇用契約を締結。
これが満了した後も再度同じ内容で有期雇用契約を更新した。 しかし、売上減少、業務縮小に伴い、2回目の有期雇用契約の満了にあたり、次の更新は月額約12万円週3日、契約期間1年とする旨提示。 従業員はこれに同意せず、従来の待遇での契約更新を求めた。会社は労働条件について大きな隔たりがあり、契約更新や新たな契約の締結を行わないと通知した。
これに対して、従業員が訴訟を提起。
なお、定年後の継続雇用制度により雇用されていた別の2名は、労働時間の短縮と賃金の減額に合意していた。
→65歳までの雇用の確保の措置を義務付ける高年齢者雇用安定法の趣旨や同一の労働条件で2回にわたって更新されていたことも併せ考えると、従業員において、継続雇用の満了時期まで雇用が継続されるものと期待することについて合理的な理由があった。
また、就業規則上、更新の基準として種々の要素を列挙したうえで、「雇用契約を更新する場合は、個別合意のうえ、労働条件を変更することがある」旨定めがあるが、定年後の継続雇用制度として締結された雇用契約の労働条件の切下げについての規定はない。
雇止めの相当性については、更新に対する従業員の合理的期待の程度を踏まえ、会社が提示した労働条件の合理性を斟酌のうえ、雇止めが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるかどうかを検討すべき。
この点、新たに提示された労働条件は、基本給月額12万円のみで家計を維持することは困難であり、従業員の年齢から新たに就職先を探し、勤務のない日に就労して家計を維持することも容易ではないから、不利益の程度は著しく、不合理なもの。
会社は、業績が悪化し、売上高が低下する一方、本件の従業員が会社にもたらした利益は際立って低調であり、以前の就業時間と給与を維持することは不可能であったと主張するが、会社代表者を含めた役員の報酬を月額で合計18万円増額していることからすると、以前の就業時間と給与を維持することが不可能であったとはいえない。
雇止めは無効であり、雇用契約は月額約20万円、週5日という以前の労働契約と同一の条件で更新されたものとみなされると判断。 労働契約上の権利を有することを確認し、バックペイ約700万円の支払命令

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