判例・裁判例コラム

日報を提出しない従業員に対するけん責処分

東京地裁R6.5.30
営業所長の再三の提出指示にもかかわらず、営業日報を4か月以上にわたり提出しなかった営業社員について、会社がけん責の懲戒処分。「懲戒は原則として社内に公示する」と定めた就業規則に基づき、けん責処分を社内に公示した。
→日報は営業活動の管理のための重要な資料であり、提出がされなければ営業所の営業活動の掌握に困難をきたす。このような日報提出の重要性に加え、営業所長からの複数回の命令にも応じないまま4か月以上も提出を怠り続けたことなどからすると、けん責処分は有効。社内での公示も、就業規則に基づく措置であり、公示内容が真実であり、公示期間も4日程度であるから、従業員の氏名が掲載されていたとしても、会社は不法行為責任を負わないと判断。

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