判例・裁判例コラム

ハラスメント調査に求められる中立性・公平性について判示した裁判例

東京地裁R1.11.7
大声での執拗な叱責等がパワハラにあたるとして訓戒処分を受けた人事部の課長が、パワハラを認定した社内調査の結果は誤りであるとして、処分の無効を主張した。
→調査を行ったのは使用者から依頼を受けた顧問弁護士であるものの、使用者から意見を聴くことなく調査を開始し、被害者と課長の双方から言い分等を記載した書面の提出を受け、人事部の従業員のみならず、他部署の従業員からも事情聴取して、報告書を作成している。調査が中立性・公平性を欠くというべき具体的事情はうかがわれない。他部署からの事情聴取も行われて人事部における人間関係にとらわれない調査方法が用いられており、報告書の記載内容は詳細かつ具体的、事実認定に至る過程に特段不自然・不合理な点も認められない。訓戒処分有効と判断。

パソコンの共有フォルダに保存した就業規則の効力前のページ

退職後6か月間、半径2キロ以内での独立開業を禁止する競業避止規定の効力次のページ

ピックアップ記事

  1. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  2. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  3. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  4. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…
  5. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…

関連記事

  1. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)

    判例・裁判例コラム

    就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)

    事件の概要給与規程において、「業務内容の変更に伴い、その業務…

  2. 判例・裁判例コラム

    在職中の成果物を削除した退職者に対して会社が損害賠償請求した事例

    徳島地裁R7.1.16メーカーに勤務して開発業務に従事してい…

  3. 判例・裁判例コラム

    役員としての重大な不正を理由に従業員としての退職金を不支給にできる?

    東京地裁R6.1.29学校法人において教授等を務めていた職員が大学の…

  4. 判例・裁判例コラム

    出勤停止の懲戒処分通知書を従業員が返送した場合の効力

    東京地裁R6.4.24出勤停止の懲戒処分を受けた銀行職員が通知書を受…

  5. 判例・裁判例コラム

    休職について説明したにすぎず休職を命じていないとされた事例

    大阪地裁H25.1.18バス会社の従業員が通勤中の交通事故で…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    休職期間満了による退職を6か月経過してから通知した事例
  2. 判例・裁判例コラム

    過去のセクハラ発言を会社が問題視した取締役経験者を他社へ出向、さらに出向延長! …
  3. 判例・裁判例コラム

    労災認定されて休業中の従業員の解雇
  4. 判例・裁判例コラム

    まじめな職員が業務を期限までに終えられないことを苦に自殺したことについて、積極的…
  5. 判例・裁判例コラム

    始業時刻前の出勤も賃金支払義務あり?さいたま地裁の判断
PAGE TOP