判例・裁判例コラム

引越し会社で担当件数に応じて支給される業績給は労基法施行規則19条6号の出来高払制賃金にあたるか?

東京地裁立川支部R5.8.9
引越運送会社が運転手の給与について、基本給等のほか、担当した引越し案件の件数に応じた業績給を設定。例えば標準積載量2トンの車両については1件あたり1,000円の業績給などと定めた。そのうえで、給与規程で業績給部分については労基法施行規則19条6号の出来高払制賃金と扱い、割増賃金を1.25分ではなく0.25分のみ支払うと規定。

→引っ越しの規模は様々であり、規模の大きい案件であれば1日1件しかできないが、規模の小さい案件であれば4件回すことも可能であることなどに照らすと、作業件数は、現業職の労働の成果と必ずしも連動しない。また、案件の割当ては配車係が行うものであり、現業職の自助努力が反映される賃金であったとはいい難い。実際、配車係は現業職の労働時間のバランス等に配慮して案件を割り当てていたことから、平均してみれば現業職間にさほどの差異が生じるものでもなかった。この業績給は、現業職の労働の成果に応じた賃金と実質的に評価することはできず、出来高払制賃金に該当するとは認められないと判断。

パソコンの共有フォルダに保存した就業規則の効力前のページ

退職後6か月間、半径2キロ以内での独立開業を禁止する競業避止規定の効力次のページ

ピックアップ記事

  1. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  2. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  3. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  4. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…
  5. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?

    東京地裁R5.12.14給与規程において、「業務内容の変更に伴い、そ…

  2. 判例・裁判例コラム

    メンタル休職から復職して21か月後の秋田への転勤命令

    東京地裁R5.12.14保険業を行う一般財団法人が、適応障害…

  3. 判例・裁判例コラム

    定年前の業務命令違反について定年後に懲戒処分できる?

    東京地裁R7.1.30大学が、大学病院において、定年退職後再…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    郵便局職員の制服への着替え時間は労働時間?
  2. 判例・裁判例コラム

    引越し会社で担当件数に応じて支給される業績給は労基法施行規則19条6号の出来高払…
  3. 判例・裁判例コラム

    復職可否の診断書が障害年金診断書と矛盾!東京地裁の判断
  4. 判例・裁判例コラム

    解雇された従業員からの「指導が不十分であった」という主張を認めなかった事例
  5. 判例・裁判例コラム

    職場内の盗撮。会社の対応は遅すぎ、被害者と加害者の優先順位を見誤っているとして賠…
PAGE TOP