名古屋高裁H30.6.26
うつ病で休職中の職員が復職可能の診断書を提出したので、法人は、復職可否判断のために試し勤務(テスト出局)を実施。
職員は試し勤務開始後約1か月半は、遅刻1回、不出社1回でほぼ計画通り出社。
しかし、その後、積雪があった日に30分遅れて出社。上司が大雪は事前に予測されており、遅刻しなくて済む方法はなかったのかなどと話した 。
これに対し、職員が反発し、小声で「帰ります。」と述べ、上司は「え,え,え,帰っちゃうの。」と反応したが、そのまま退社。そして、翌日も午前中は状態が回復せず、午後から遅刻して出社した。
これを受けて法人は試し勤務を中止。
最終的に法人により復職不可と判断され、雇用を終了された職員が、試し出勤中止は不意打ちであり、その後の雇用終了も無効であると主張して提訴。
→時刻を守って出社することは、精神科領域の疾患に罹患した職員が復職するためのステップとして重要。
遅刻があった日に職員の精神状態ないし健康状態が悪化し、翌日も状態が回復していなかったのであるから、法人が試し出勤を中止したことに違法性は認められない。
その後、法人が主治医への医療照会や主治医との面談についての同意を求めても職員が応じておらず、法人が産業医の意見も踏まえて雇用終了としたことは相当と判断。
試し勤務でトラブルがあった場合に、打ち切るのか、続けるのかが難しい判断になることがあります。
この事案の使用者の対応はやや思い切ったもののようにも思います。
ただ、少しの出来事でトラブルになり、体調が悪化して就業できなくなるようでは、本来求められる環境での就業はできません。本人の健康も悪化させることになるでしょう。そのため、ここで打ち切ったのは適切だったと、私は感じました。
また、雪で遅れたときに、雪だから仕方ないよねじゃなく、雪は事前に予測されており、遅刻しなくて済む方法はなかったのかなどと話した対応は適切であり、試し出勤の中でもそういった対応をきちんとしなければ適切な復職可否判断はできないと感じます(この事案はNHKの事案であり、放送を事業とするという性質上、時刻について厳格な対応が求められてもやむを得ない側面があったと思われます)





