判例・裁判例コラム

医師が処方箋偽造で諭旨解雇処分! →裁判所「職場内で常態化していた」から解雇は無効!2500万支払命令

熊本地裁R8.2.25  
病院が勤務医を諭旨解雇処分。医師が病院を相手に訴訟提起。
→医師は、同僚医師との間で、カルテシステ厶のパスワードを教え合い、それ以降、都度同意を得ることなく、複数回にわたり、同僚医師のパスワードを使用してログインし、同僚医師の名前で自らを患者とする処方箋を偽造。これを用いて薬剤を入手していた。
病院において指導的立場にありながら、処方箋の偽造という違法行為を繰り返していたことは、医療制度の根幹を揺るがしかねないものであり、強い非難に値する。
しかし、病院は、同僚医師による処方箋偽造については最終的に戒告処分をしたにすぎない。
また、本件病院の泌尿器科では、医師の間でパスワード等を教え合い、自身を患者とする処方箋を発行する不正が常態化していた。
そうすると、病院において、この行為が重大な非違行為として認識されていたとはいい難く、本件勤務医に対してのみ諭旨解雇という重大な処分を行うことは、重きに失する。
諭旨解雇無効と判断。
地位確認請求を認容し、約2500万円の支払命令

職務に関連した犯罪行為であるにもかかわらず、諭旨解雇が無効とされた事案です。
その主な理由は、他の行為者に対する処分や対応との均衡を欠くということにあります。
懲戒処分はその行為自体の悪質さだけでなく、他の行為者に対する処分や対応との均衡も考慮して選択する必要があります。
同種の判断をした事案としてhttps://x.com/i/status/1579947451083005960 があります。

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