判例・裁判例コラム

医師が処方箋偽造で諭旨解雇処分! →裁判所「職場内で常態化していた」から解雇は無効!2500万支払命令

熊本地裁R8.2.25  
病院が勤務医を諭旨解雇処分。医師が病院を相手に訴訟提起。
→医師は、同僚医師との間で、カルテシステ厶のパスワードを教え合い、それ以降、都度同意を得ることなく、複数回にわたり、同僚医師のパスワードを使用してログインし、同僚医師の名前で自らを患者とする処方箋を偽造。これを用いて薬剤を入手していた。
病院において指導的立場にありながら、処方箋の偽造という違法行為を繰り返していたことは、医療制度の根幹を揺るがしかねないものであり、強い非難に値する。
しかし、病院は、同僚医師による処方箋偽造については最終的に戒告処分をしたにすぎない。
また、本件病院の泌尿器科では、医師の間でパスワード等を教え合い、自身を患者とする処方箋を発行する不正が常態化していた。
そうすると、病院において、この行為が重大な非違行為として認識されていたとはいい難く、本件勤務医に対してのみ諭旨解雇という重大な処分を行うことは、重きに失する。
諭旨解雇無効と判断。
地位確認請求を認容し、約2500万円の支払命令

成績不振で基本給カットは違法じゃない? 2年連続の賃金減額が有効とされた東京地裁判決!前のページ

ピックアップ記事

  1. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  2. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  3. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  4. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…
  5. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    1年単位の変形労働時間制を定める就業規則の不備

    東京高裁R6.5.15引っ越し業者が労使協定を締結して1年単位の変形…

  2. 判例・裁判例コラム

    全国に点在する労働者の一斉解雇

    東京地裁R3.12.21全国に300店を擁する居酒屋チェーンが、コロ…

  3. 判例・裁判例コラム

    相手を論破するような話法を多用する新入社員の解雇

    東京地裁R2.9.28産業用機械の制作、販売等の事業を営む会社が、2…

  4. 判例・裁判例コラム

    セクハラ被害の訴えと休職期間の満了

    東京地裁R6.11.14食品販売会社が精神疾患で休職していた…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    就業規則に不備があれば退職金2回もらえる?
  2. 判例・裁判例コラム

    外注業者の費用負担による接待旅行への参加を理由に諭旨解雇!処分の効力は?東京地裁…
  3. 判例・裁判例コラム

    引越し会社で担当件数に応じて支給される業績給は労基法施行規則19条6号の出来高払…
  4. 判例・裁判例コラム

    人事考課のフィードバックがないのに7年連続で降級・減給! 東京地裁が無効判断!
  5. 判例・裁判例コラム

    郵便局職員の制服への着替え時間は労働時間?
PAGE TOP