判例・裁判例コラム

就業規則に不備があれば退職金2回もらえる?

大阪地裁R6.11.7

出版会社が、就業規則で定年を60歳と定めた。従業員が60歳になったときに退職金1116万円を支払ったが、その後も特段の手続をとらずに就業を継続させた。この従業員が76歳で退職後に会社に退職金請求
→会社の退職金規程は、適用対象者の範囲について就業規則の規定を準用している。そして、就業規則は「無期労働契約により採用された職員及び嘱託その他有期の契約により採用された者」を適用範囲としており、定年後再雇用の職員を適用対象外とする定めはない。本件従業員は、定年後再雇用された際に期間を定めて採用されていないから、就業規則の適用対象者に文言上当てはまる。退職金規程に基づき定年後の再雇用期間について退職金約500万円支払命令

労働判例ジャーナル158号

朝礼で職員同士が仲が悪いと発言した代表取締役の不法行為責任前のページ

在宅勤務日のさぼり行為が発覚した場合に解雇できる?次のページ

ピックアップ記事

  1. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  2. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  3. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  4. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  5. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    過半数代表選出にあたり無投票者は有効投票にみなすと定めた場合の効力

    松山地裁R5.12.20大学が過半数代表者選出規程に、信任投票で投票…

  2. 判例・裁判例コラム

    職場内で秘密録音したデータを民事訴訟の証拠として利用できる?

    東京高裁R5.10.25歯科医院に勤務する職員が、理事長が院内で自身…

  3. 判例・裁判例コラム

    懲戒処分としての降格に伴い基本給、役付手当を減額することは有効か?

    東京高裁R3.6.23タイムカードを改ざんした部長を懲戒処分として次…

  4. 判例・裁判例コラム

    実質個人経営の居酒屋を経営する会社代表者の責任

    東京地裁R5.3.23居酒屋で勤務する33歳の従業員が突然死…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    労災請求における事業主証明の拒否が問題になった事案
  2. 判例・裁判例コラム

    ジョブ型雇用における能力不足解雇
  3. 判例・裁判例コラム

    夏季休暇が「休日」なのか「休暇」なのか、が争点になった裁判例
  4. 判例・裁判例コラム

    先輩看護師の新人看護師に対する「人間的に無理」という発言はパワハラ?
  5. 判例・裁判例コラム

    メンタル休職から復職して21か月後の秋田への転勤命令
PAGE TOP