判例・裁判例コラム

役職手当を固定残業代と定める規定の有効性

東京地裁R5.10.6
整骨院経営会社が給与規程で役割給、役職手当、資格手当の項目を設け、それぞれについて、本人の役割、役職者の役割及び資格に応じて業務が多くなることを見込んで割増賃金見合分として支給すると定めた
→いずれもその全額が割増賃金に充当されると判断。
従業員は役割給、役職手当、資格手当の少なくとも一部は、会社内における役割が重要になることに伴って基本給を加算する趣旨が含まれ、割増賃金部分との判別可能性を欠くと主張するが採用できない。また、役割給、役職手当、資格手当の合計が高額で45時間分の割増賃金を超えているが、実際に行う時間外労働時間とは直ちに結びつかないから、恒常的に時間外労働を行わせることを前提としていて労基法の趣旨に反するとの主張も採用できない。

労働経済判例速報2558号27頁

小規模企業の整理解雇では役員報酬の削減が必要?前のページ

役員としての重大な不正を理由に従業員としての退職金を不支給にできる?次のページ

ピックアップ記事

  1. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  2. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  3. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  4. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  5. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    懲戒解雇の通知後に行った予備的普通解雇が無効とされた事案

    東京地裁R3.6.25職務怠慢やハラスメントを理由に従業員を懲戒解雇…

  2. 判例・裁判例コラム

    人事考課に基づく降格・賃金減額の有効性

    東京地裁R4.1.31地道なテレアポ営業に熱心に取り組まず、…

  3. 判例・裁判例コラム

    教師が生徒からチョコレートをもらうことは懲戒事由?

    東京地裁H23.4.15私立の中学・高校の社会科教師が①生徒からバレ…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    社員が弁護士をつけた後も本人を指導できる?東京地裁の結論!
  2. 判例・裁判例コラム

    「復職可能であり、3か月間は短時間勤務及び軽度業務に限る配慮が必要」と主治医が診…
  3. 判例・裁判例コラム

    暴力を伴うパワハラについて被害者の復帰までに加害上司を配置転換する義務があったと…
  4. 判例・裁判例コラム

    主治医は復職可、産業医は復職不可と診断した従業員の復職可否について裁判所が判断し…
  5. 判例・裁判例コラム

    小学校4年生の子を育てる看護師からの夜勤免除申請に病院は応じる義務を負うか?
PAGE TOP