判例・裁判例コラム

232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?

大阪地裁R6.3.27
病院の事業譲渡に伴い、全職員が譲渡日に退職し、その後、新事業者に雇用されることとなった。譲渡日の退職にあたり、職員の3分の2にあたる232名が一斉に退職前の有給消化を申請した
→一般的に、退職前の有給申請について使用者が時季変更することは、他の時季に有給取得の可能性がないから、認められない。しかし、本件で232名が一斉に有給申請すると、病院業務に重大な支障を生じることは明らかであり、そのような事情がある場合には、退職前の有給消化であっても、使用者は労働者ができるだけ有給を取得できるよう配慮しながら時季変更権を行使することは許されると判断

パソコンの共有フォルダに保存した就業規則の効力前のページ

退職後6か月間、半径2キロ以内での独立開業を禁止する競業避止規定の効力次のページ

ピックアップ記事

  1. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  2. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…
  3. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  4. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…
  5. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    配転命令を受けた従業員からの職種限定合意の主張が認められなかった事例

    大阪地裁R5.3.31製造業で30年以上システム課で勤務していた従業…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    訴訟をすれば有給休暇の時効がとまる?
  2. 判例・裁判例コラム

    職場内での悪影響を理由に復職不可とできる?
  3. 判例・裁判例コラム

    休職期間満了による退職を6か月経過してから通知した事例
  4. 判例・裁判例コラム

    復職のために会社が指定した医師作成の証明書を要すると定める就業規則の効力について…
  5. 判例・裁判例コラム

    有期雇用の派遣社員の雇止めが有効とされた事案
PAGE TOP