東京地裁R5.10.25
協調性や事務処理の効率性に問題があり、これらの点について具体的に指摘されたにもかかわらず改善できていなかった、勤続2年目の従業員に対し、上司が年賀状の宛名シールの貼り付け作業を1日1000枚のペースで行うように命じた。従業員はこれが肉体的精神的苦痛を与える業務を命じたものであり、不法行為であると主張。
→たしかに、この作業は以前は複数の従業員で手分けして行っていたものであり、それにもかかわらず、1人にのみに行わせ、しかも従業員から手首と肩がきついので、1日700枚のペースでも大丈夫かとの問い合わせがあったのに上司は何の応答もしなかったのだから、配慮が足りない面があることは否定できない。しかしながら、現に従業員は1日700枚のペースで作業を続け、上司もそれに異論を唱えていないことからすると、従業員から作業軽減の申出があったにもかかわらず、上司が1日1000枚のペースで貼り付け作業を行わせ続けたとまでは認められない。したがって、配慮が足りない面はあるものの、年賀状シールの貼り付け作業を行わせたことが不法行為を構成するとまではいえないと判断。