判例・裁判例コラム

作業中にスズメバチに刺された事故は使用者の安全配慮義務違反?

東京地裁R5.9.29
公園の植栽管理に従事する職員がスズメバチに刺された。
→使用者は蜂刺され対策ガイドラインを定め、低木作業は作業前に軽く叩いてハチが飛び出さないか確認すると定めていた。しかし、蜂刺され防止のためには一般に巣を刺激しないことが求められる。使用者はハチの巣を刺激しかねない手順を定め、職員はガイドラインに沿って作業した結果刺されたから、安全配慮義務違反。慰謝料5万円。

※ハチ刺され事故については、防止のための保護具を備えていなかったことについて労働安全衛生法20条違反として送検される例もあります。

www.rodo.co.jp

パソコンの共有フォルダに保存した就業規則の効力前のページ

退職後6か月間、半径2キロ以内での独立開業を禁止する競業避止規定の効力次のページ

ピックアップ記事

  1. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  2. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  3. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  4. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…
  5. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    休職期間満了による退職を6か月経過してから通知した事例

    東京地裁R6.5.28休職者が復職を希望したため、会社は復職…

  2. 判例・裁判例コラム

    職場内の人間関係を理由に休職者の復職を認めないことは可能?

    大阪高裁H27.2.26双極性障害による休職からの復職を認められなか…

  3. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.5.15)
  4. 判例・裁判例コラム

    残業許可制について厳格な運用をしていたと認められた事例

    東京地裁R3.6.30就業規則で21時以降の残業は事前の許可を要し、…

  5. 判例・裁判例コラム

    職場内で秘密録音したデータを民事訴訟の証拠として利用できる?

    東京高裁R5.10.25歯科医院に勤務する職員が、理事長が院内で自身…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    試用期間中に2回の事故を起こし、ミスも改善されない従業員を実働10日で解雇した事…
  2. 判例・裁判例コラム

    採用内定後のバックグランドチェックの結果に基づく内定取り消し
  3. 判例・裁判例コラム

    1件150円で朝9時から夜9時まで担当エリアの配送を担当する契約は労働契約?大阪…
  4. 判例・裁判例コラム

    形成外科医のオンコール当番待機時間は労働時間か?
  5. 判例・裁判例コラム

    就業規則に配転条項があっても職種限定契約であるとされた例
PAGE TOP