判例・裁判例コラム

賃金減額について定める給与規程の不備

東京地裁R5.1.11

不動産会社が、給与規程において「同一等級内での昇給・降給は、本人の職務遂行能力の発揮度、業績、勤務態度等を考慮して所定の手続きを経て行う」と定め、給与規程別紙の「等級体系及び等級定義」と題する書面において等級体系と等級定義を明示した。3等級の従業員について、C評価となったことを通知し、賃金を減額した
→賃金減額を労働者の同意を得ることなく実施する場合、その法的根拠が就業規則にあるというためには、当該就業規則において、減額の事由、方法及び減額の幅等について、具体的かつ明確な基準が定められていることが必要である。上記の給与規程はこれらの点が定められておらず、賃金減額の根拠とはなり得ない。よって賃金減額は無効と判断。

試用期間中に2回の事故を起こし、ミスも改善されない従業員を実働10日で解雇した事案前のページ

在職中の成果物を削除した退職者に対して会社が損害賠償請求した事例次のページ

ピックアップ記事

  1. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  2. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…
  3. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  4. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  5. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    懲戒解雇の理由はあとで追加できる?

    高松高裁R4.5.25社会福祉法人でパワハラを理由に管理職を懲戒解雇…

  2. 判例・裁判例コラム

    高額な歩合給制度の問題点

    東京地裁R7.3.21 賃貸住宅建築を事業とする会社で、支店長が、マ…

  3. 判例・裁判例コラム

    覚醒剤使用で懲戒解雇された従業員の退職金不支給についての判断事例

    東京地裁R5.12.19鉄道会社が覚醒剤使用で有罪判決を受けた車両検…

  4. 判例・裁判例コラム

    総合職にのみ社宅利用を認め、一般職には認めないことは間接性差別?

    東京地裁R6.5.13会社は、住居の移転を伴う転勤に応じるこ…

  5. 判例・裁判例コラム

    労災認定されたが損害賠償責任は否定された事例

    大阪地裁R6.9.12派遣社員が、派遣先のマネージャーからのパワハラ…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    病気休暇中の職員に対し、休暇延長・休職の選択肢があることを示さずに退職勧奨を行っ…
  2. 判例・裁判例コラム

    「“法定休日を決めていない会社”は35%払わなくていい?」東京地裁の結論!
  3. 判例・裁判例コラム

    聴覚障害のある職員に対する配慮として会議の筆記サポートが必要?
  4. 判例・裁判例コラム

    雑に作成された退職時の秘密保持誓約書が無効と判断された例
  5. 判例・裁判例コラム

    東京地裁R7.5.23
PAGE TOP