判例・裁判例コラム

体育授業で小6女児の両肘に数十秒接触。セクハラで懲戒免職された教諭の運命は?【横浜地裁】

横浜地裁R8.3.18
小学校の教諭が体育の授業中に運動が苦手な女児を体育館の人目につきにくい場所に移動させ、レシーブの指導として女児の背後から両手を伸ばし両肘を下から触れる動作を、2度にわたり行った。
母親が苦情を入れ、横浜市教育委員会はレシーブ指導の目的はないセクハラと判断。教諭を懲戒免職処分とした。教諭は処分の取り消しを求めて訴訟提起。
→裁判所は「教諭に現実にレシーブ指導目的があった。接触は両肘のみで1回あたり数十秒程度」と認定。
ただし、教育委員会が作成した懲戒処分に関する指針にいうセクハラとは、性的意図の有無にかかわらず客観的に判断すべき。本件は性的不快感を与えるものであり、セクハラにあたり、懲戒事由にあたる。
教諭は指導目的とはいえ、接触前に女児の意思確認もしておらず、過失の度合いは軽視できない。ただし、動機自体に非難すべき点はなく、他の懲戒事例との対比の観点からも、免職処分を選択することは疑問が残る。
懲戒免職処分を取り消す判断。

懲戒免職は取り消されましたが、
・性的意図がない指導目的でも両肘に触れたのはセクハラにあたる、
・接触前に女児の意思確認もしておらず過失の度合いは軽視できない
とされました。
個人的にはこの教諭が少し気の毒な気がしました。
体育を教える先生も大変ですね。。
性的意図がなくてもセクハラにあたるという判断は、企業の労務管理においても参考になり得ると感じました。

訴訟で懲戒免職が取り消されたことはよかったと思います。
ただ、このトラブルの中で、教諭の方は体調を崩し、約1か月間入院されたことが認定されています。また、懲戒免職から判決まで約4年半かかっており、負担も大きかったのではないかと思います。
教育委員会には適切な対応をしてほしいと思います。

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