大阪高裁H23.12.6
広告会社が大阪支社を閉鎖。
大阪支社勤務の営業社員には新たな大阪事務所を借りると説明して、1年間の有期雇用契約に切り替えた。
契約書には勤務地を「大阪事務所」と明記。
ところが、会社は新事務所を借りることなく方針を変更し、営業社員の自宅における在宅勤務を命じた。
従業員は契約内容と異なると主張して退職し、残りの契約期間の賃金相当額の損害賠償を請求した。
→労働者は、特段の事情がない限り、私生活の場である自宅を、勤務先の事務所に代わる就業場所として提供すべき義務を負うことはない。
就業規則によれば、会社は配転命令権を有しているものと認められるが、本件労働契約上、自宅を事務所として勤務させることは予定されておらず、配転命令権の行使としても、就業場所を自宅とすることはできない。
会社に賠償命令。
企業側から見たポイント
在宅勤務が許可制の会社が多いですが、従業員の申請を受けて許可することによる在宅勤務と、会社が命じることによる在宅勤務は法的には全く別物です。
従業員の申請がない場面で、会社の都合で在宅勤務を命じるためには、ポストの裁判例が判示しているように、就業規則あるいは雇用契約書における根拠規定が必要です。
職場内でトラブルがある、従業員が職場でトラブルを起こすなどの事情から、本人から申請がなくても在宅勤務を命じることが必要になる場面がある場合は、それを踏まえた規定の整備をしておくべきでしょう。





