福岡地裁小倉支部R7.3.27
運送会社が、近距離は走行1㎞当たり19円、長距離は1㎞当たり13円を乗務手当として支給。割増賃金の計算にあたり、この乗務手当が労働基準法施行規則19条1項6号の出来高払制賃金にあたるかどうかが争点となった。運転手らは、会社において配車が一方的に決められており、運転手らの自助努力によって走行距離を伸ばすことができないから、乗務手当は出来高払制賃金にあたらないと主張。時間単価の0.25倍ではなく1.25倍の割増賃金の支払義務を負うと主張した。
→出来高払制賃金とは、労働時間ではなく、労働給付の成果に応じて一定比率で定められる賃金。その算定基準が、労働者の裁量により多寡を決することができる労働給付の成果のみに限られない。本件の乗務手当は走行距離に応じて支給されており、走行距離は運転手らの労働給付の成果であるということができるから、本件の乗務手当は出来高払制賃金にあたる。よって、出来高払制賃金としての計算により割増賃金を支払えば足りると判断