東京地裁R7.2.27
ウェブサイトの制作等を事業とする会社の労働者が半月にわたり無断欠勤。会社は、自宅への訪問や電話により連絡を取ろうとしたが、連絡が取れなかった。約半月後に突如として、この労働者はショートメッセージで「仕事での精神的なストレスから何も手につかず連絡することもできずにおりました。今回件について私がしてしまったについて深く反省をしております。」と送信し、その後、退職届を郵送して引継ぎをしないまま退職した。会社は、無断欠勤により損害を被ったとして、この労働者に対し、約205万円の損害賠償を請求する訴訟を提起。労働者は訴訟に出頭せず、書面も提出しなかった
→担当業務として命じられた業務を実施しなかったことは、労働契約上の義務に違反する。また、労働契約書及び就業規則で、私傷病等のやむを得ない事由により欠勤等する場合には、事前に所属長の承認を得なければならない旨が定められていることからすれば、約半月にわたって無断欠勤したことも、労働契約上の義務に違反する。
会社は、この従業員が業務を実施しなかったため、その穴埋めとして、外注先に業務を委託する必要が生じ、その費用として外注先に約80万円を支払った。また、無断欠勤により、会社は契約に定められた納入期日までに、業務を完了できず、顧客との間で納入期日を延長することと引き換えに、代金を約125万円減額する合意をしたことが認められる。
よって、労働者は、これらの合計である約205万円の損害賠償義務を負うと判断