東京高裁R6.5.15
引越運送会社が運転手の給与について、基本給等のほか、長距離運転やピアノの積卸しなど、一定の作業等を行った場合に支給される業績給を設定。そのうえで、給与規程で業績給部分については労基法施行規則19条6号の出来高払制賃金と扱い、割増賃金を1.25分ではなく0.25分のみ支払うと規定
→「出来高払制その他の請負制」(労基法27条及び労基法施行規則19条1項6号)とは、労働者の賃金が労働給付の成果に一定比率を乗じてその額が定まる賃金制度をいう。引越運送業務に従事する現業職は、引越荷物の積卸作業及び引越荷物の運搬を担っているのであり、作業量や運搬距離をもって労働給付の成果というのが相当である。業績給の対象となる各作業は具体的案件に応じて内容が異なるものであることからすれば、作業量等と連動しているものといえない。よって、出来高払制賃金とはいえないと判断。