判例・裁判例コラム

復職審査における産業医と主治医の役割

東京地裁R6.5.28
「主治医は患者の治療を任務としており、患者の職場の実情には通じておらず、復職した場合に債務の本旨に従った労務提供が可能なのか、復職のため職場においていかなる配慮が必要なのかといった観点からの検討はしない立場にあ(る)」としたうえで、「(会社が)主治医から診療情報の提供を受けた産業医の意見を踏まえた復職審査を必要と判断したのは相当である」と判示
→実際には主治医のあり方も多様ですがこのような判示があてはまる事案も多いと感じます。

ポストの裁判例も判示する通り、主治医の診断書と産業医の意見は両者を並べて比べるものではなく、主治医から診療情報の提供を受けた産業医の意見を踏まえて復職審査するという考え方が必要です。
そして、万一、訴訟になった場面でも、産業医の意見が支持されるためには、
①休職命令の段階から症状の経過を把握したうえでの意見かどうか(長く把握されているか)
②職場の実情や仕事内容、職場内のトラブルの有無などを広く把握したうえでの意見かどうか(広く把握されているか)
③主治医からの情報、リワークの資料、生活リズム確認、試し出勤の状況などの資料に基づいた意見かどうか(資料に基づく意見か)
といった点が重要だと感じます。
安易な診断書が出されることもあり、そのような場面では、特に産業医の先生の役割が重要ですね。

咲くやこの花法律事務所では、法的観点・トラブル対応の観点から産業医事務所の支援・サポートも行います。

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