判例・裁判例コラム

自宅待機状態を続けさせたことが違法な退職勧奨であるとされた事例

東京地裁R6.4.24
嫌いな人物はとことん追い詰める、高圧的な態度で1時間以上自席の前に立たせて説教する、上司からの改善指導にも激昂して反抗するなどの問題があった職員について、銀行が退職勧奨を行い、自宅待機を命じた。銀行は自宅待機命令後も給与を支払いつつ、職員と面談を実施するなどしていたが、職員が職場復帰を求めて紛争化。4年半にわたり自宅待機を継続させた。
→復帰先も提示されないまま長期間にわたり自宅待機状態が続けられたことからすれば、自宅待機期間中も実質的にみて退職勧奨が継続していたというべきである。退職勧奨は強制にわたることは許されない。職員が面談において復帰を明確に求めた後も具体的な復帰先を提示せず自宅待機を続けさせたことは実質的にみて退職以外の選択肢を与えない状態を続けたものといえ、違法である。慰謝料300万円の支払命令。

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