判例・裁判例コラム

営業担当者について退職後6か月間に限って同業他社への就職を禁止する誓約書の効力

大阪地裁H25.9.27
酒類卸売業者の営業担当者が同業他社に転職。会社は、この元営業担当者が、転職直後から自社の主要顧客に営業をかけており、これが入社時誓約書の競業避止義務に違反するとして損害賠償を請求した。
→元営業担当者は、退職承認日より6か月間同業他社への就職をしないことを誓約する入社時誓約書を提出している。会社の主要取引先の数が限られていることなどを踏まえると、会社が、営業担当者が退職後に在職中に得た取引先との人間関係や取引価格の情報を利用して取引先を奪うことを防ぐため、競業避止義務を設けたことが一概に不必要・不合理であったとはいえない。しかし、禁止される競業行為について行為・期間・地域を一切制限しておらず、代償措置もとっていない。同業他社への再就職禁止期間を6か月と比較的短期間にとどめていることを考慮しても、公序良俗に反し無効であると判断。

労働判例ジャーナル21号10頁

会社が労災の事業主証明を途中から拒否するようになったのは不法行為?前のページ

労災認定されたが損害賠償責任は否定された事例次のページ

ピックアップ記事

  1. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…
  2. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  3. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  4. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  5. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    東京地裁H5.3.23

    就業規則に規定がない場合も欠勤控除できる? →不就労日も控除しない旨…

  2. 判例・裁判例コラム

    1年以上服薬せずに日常生活を送っていた休職者の復職可否判断

    名古屋地裁R3.8.23躁うつ病(双極性障害)で休職していた休職者が…

  3. 判例・裁判例コラム

    通勤中の電車内で盗撮行為を行った課長を懲戒解雇した事案(控訴審)

    名古屋高裁R7.3.25課長が通勤中の電車内で口を開いたリュ…

  4. 判例・裁判例コラム

    会社が労災の事業主証明を途中から拒否するようになったのは不法行為?

    大阪地裁R6.9.12派遣社員がうつ病を発症し、これが派遣先でのパワ…

  5. 判例・裁判例コラム

    残業許可制について厳格な運用をしていたと認められた事例

    東京地裁R3.6.30就業規則で21時以降の残業は事前の許可を要し、…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    復職可否の立証責任
  2. 判例・裁判例コラム

    固定残業代を廃止して実労働時間に応じた残業代の支払に変更!不利益変更だが有効とし…
  3. 判例・裁判例コラム

    大声で非難する発言を理由とするけん責処分
  4. 判例・裁判例コラム

    ストーカー被害の申告を延々と繰り返す事務職員に対する懲戒処分
  5. 判例・裁判例コラム

    病気休暇中の職員に対し、休暇延長・休職の選択肢があることを示さずに退職勧奨を行っ…
PAGE TOP