判例・裁判例コラム

タクシー乗務員の10分を超える駐停車時間を自動的に休憩時間扱いする運用の可否

大阪地裁H21.9.24
タクシー会社が36協定で「タクシー乗務中、車両の運行を管理するPOSシステムの記録において、空車時車両停止時間が10分を超える場合は、車両停止開始時刻から停止時間を休憩時間とする」と定め、システムで10分を超える停車があった場合にこれを自動的に積算して休憩時間として扱う運用をした。しかし、乗務員がこの休憩時間についても賃金請求
→タクシー乗務員は、流し営業だけでなく無線配車や待機場所における客待ち営業も行っていたのであるから、10分間空車で停車しているからといって、その時間中、タクシー乗務員が労働から完全に解放されていたといえるものでないことは明らかである。そうすると、POSシステムの記録をもとに休憩時間を認定することはできないと判断

午前9時を始業時刻とする会社で午前8時より前にタイムカードがされていた場合の早出残業代の扱い前のページ

残業代の支払期日次のページ

ピックアップ記事

  1. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  2. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  3. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  4. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…
  5. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    派遣会社が派遣社員に競業避止義務を課すことに正当な目的はあるのか?

    東京地裁R4.5.13システムエンジニアを企業に派遣する派遣会社が、…

  2. 判例・裁判例コラム

    自宅待機中の従業員に対する出社命令

    東京地裁R6.4.24嫌いな人物はとことん追い詰める、高圧的な態度で…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    給与担当者が情報を他の職員に漏らしたことに対する叱責がパワハラにあたるとされた事…
  2. 判例・裁判例コラム

    賃金減額について定める給与規程の不備
  3. 判例・裁判例コラム

    会社がずさんな秘密保持誓約書の提出を求めたことが会社の請求を認めない理由の1つと…
  4. 判例・裁判例コラム

    抑うつ状態で1年近く出勤しない職員の解雇が、仮に就業できない状態であったとしても…
  5. 判例・裁判例コラム

    解雇された従業員からの「指導が不十分であった」という主張を認めなかった事例
PAGE TOP