東京地裁R6.10.4
運送会社の運転手がコンビニの駐車場に自社のロゴが入った自社車両を駐車したうえで、車両にかかる可能性が高い車両に接近した位置で制服を着たまま放尿した。目撃者から写真付きで会社に苦情が寄せられて発覚。コンビニのトイレを使用できなかった事情はなく、また数百メートルの場所にトイレを備えた自社の営業所もあった。運転手は会社の事情聴取に応じたが、退職勧奨には応じず、やがて会社との面談を欠席するようになり、会社は運転手を普通解雇した
→本件行為は軽犯罪法1条26号に該当する。また、運転手は会社の調査に対して事実に反する説明をするなど、十分に反省しているとはにわかに考え難い。しかし、本件行為自体は1回の行為であり、行為後運転手が会社との面談に複数回応じて始末書を提出し、運転手の依頼した代理人弁護士を通じて会社との協議の意向を示していたこと、運転手としての業務について遅刻や欠勤はなく、特段の問題までは認められないことからすれば、解雇事由に該当するとまではいえない。解雇無効と判断。