判例・裁判例コラム

セクハラ被害の訴えと休職期間の満了

東京地裁R6.11.14

食品販売会社が精神疾患で休職していた女性社員を休職期間満了による退職扱いとした。しかし、女性社員は、上司が自分を愛人扱いし、泥酔した際にホテルに連れ込んで関係を迫るなどのセクハラ等があり、極度の体調不良となったと主張。休職は業務上の疾病によるもので退職扱いは無効であるとして会社を提訴、上司に対しても損害賠償を請求した。

→女性社員は上司に「夢でも会えますように」「いつも一緒にいたい」などのメッセージを繰り返し送信しており、二人で旅行に出かける、ホテルに宿泊するなどしていたこと、上司に妻との離婚を促す旨のメッセージを送信したことが認められ,これらの事実からすると、上司と交際関係にあったことが推認される。そうすると、上司から性的な言動があったとしても、セクハラではない。休職期間満了により雇用契約は終了したと判断

就業時間外の性犯罪による懲戒解雇前のページ

通勤中の電車内で盗撮行為を行った課長を懲戒解雇した事案(控訴審)次のページ

ピックアップ記事

  1. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  2. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  3. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…
  4. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…
  5. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    出勤停止の懲戒処分通知書を従業員が返送した場合の効力

    東京地裁R6.4.24出勤停止の懲戒処分を受けた銀行職員が通知書を受…

  2. 判例・裁判例コラム

    シフト表の記載による休日の振り替え

    東京地裁R6.9.17トレーニングジムを経営する会社で従業員…

  3. 判例・裁判例コラム

    始業前の制服への着替え時間が労働時間にあたることが否定された事例

    東京地裁R5.4.14ビルにおいて設備機器の操作・保守を行う設備員が…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    賃金規程に基づいてした給与等級引き下げの効力について判断された事例
  2. 判例・裁判例コラム

    会社がずさんな秘密保持誓約書の提出を求めたことが会社の請求を認めない理由の1つと…
  3. 判例・裁判例コラム

    就業規則に不備があれば退職金2回もらえる?
  4. 判例・裁判例コラム

    残業代の支払期日
  5. 判例・裁判例コラム

    うつ病での服薬治療等のみを理由とする退職勧奨が違法とされた事案
PAGE TOP