東京地裁R6.10.15
個人事業主経営の美容院に勤務する美容師がレジの金銭をとったとして普通解雇された。防犯カメラには美容師が500円硬貨用トレイに右手を入れて500円硬貨を取り出し、これをレジに戻したことがうかがわれない映像あり。美容師は顧客からチップとしてうけとったものであり、チップを従業員が取得することは許されいていたなどと主張した
→裁判所は、顧客から代金額を上回る金額の交付を受けていないことを確認できる場面でも、美容師は4回にわたって合計2000円を不法に領得したと認定。少額であるものの、従業員を雇用して営利事業を営む者において、売上金をレジから複数回にわたって不法に領得した者を雇用し続けることは不可能。美容師の行為は、労働者と使用者の間の信頼関係を破壊するものというほかない。そして、美容師が売上金を不法に領得したことを認めておらず、被害弁償をしていないことも併せ考慮すると、解雇有効と判断。