判例・裁判例コラム

佐賀地裁R3.4.23

介護事業者が入所者への虐待疑いで起訴された職員を保釈後も無給で休職させた。その後無罪判決が確定し休職を解除
→入所者はこの職員に介護を担当されることを不安に思うのが通常だから休職発令に過失はない。労基法26条の「使用者の責に帰すべき事由」もなく休業手当の支払義務なし

この事業者の就業規則には、「特別の事情があって休職させることが適当と認めたとき」が休職事由の1つとして定められており、本件の休職はこれにより命じられました。就業規則にこのような休職事由をおく必要性をかんがえるにあたっても参考になる裁判例です。
なお、厚労省の令和3年版労基法コンメンタールでは、「(休業について)経営者として不可抗力を主張しえないすべての場合」に労基法26条の休業手当を要するとする裁判例が紹介され、厚労省もこの見解に立つようにも読めます。これに対し、ポストの裁判例のような事案は、不可抗力とまでは言えないと考えられますが、裁判所は休業手当の支払義務はないと判断しました。ポストの裁判例の考え方が妥当であると思います。

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