判例・裁判例コラム

出向元が出向社員から出向先での仕事に困難が生じたとして相談された場合に取るべき対応とは?

広島地裁H16.3.9
職員が、在籍出向中に出向先で十分な援助を得られず精神疾患に罹患したと主張。出向元にも安全配慮義務違反ありとして、出向先・出向元双方に損害賠償請求。
→在籍出向では、出向元も出向社員に安全配慮義務を負う。出向元は「職員が出向先での仕事に困難が生じたとして相談してきた場合には、出向先での業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないように配慮し、出向先の会社に勤務状況を確認したり、出向の取り止めや休暇取得や医師の受診の勧奨等の措置をとるべき注意義務を負う。」と判示。

パソコンの共有フォルダに保存した就業規則の効力前のページ

退職後6か月間、半径2キロ以内での独立開業を禁止する競業避止規定の効力次のページ

ピックアップ記事

  1. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  2. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  3. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…
  4. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  5. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    出勤停止の懲戒処分通知書を従業員が返送した場合の効力

    東京地裁R6.4.24出勤停止の懲戒処分を受けた銀行職員が通知書を受…

  2. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6.5.15)
  3. 判例・裁判例コラム

    雑に作成された退職時の秘密保持誓約書が無効と判断された例

    東京地裁R6.2.19退職する従業員に、「退職後3年間は、貴社所属時…

  4. 判例・裁判例コラム

    業務命令に応じない従業員への対応事例②

    東京高裁H14.9.30上司の業務上の指示に従わない女性社員に対し、…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    人事考課に基づく降格・賃金減額の有効性
  2. 判例・裁判例コラム

    管理監督者性が否定された場合は役職手当を固定残業代として扱う旨を定める規定の効力…
  3. 判例・裁判例コラム

    出勤停止の懲戒処分通知書を従業員が返送した場合の効力
  4. 判例・裁判例コラム

    ジョブ型雇用の会社でジョブが廃止されたことによる整理解雇は有効?
  5. 判例・裁判例コラム

    試用期間中に逮捕・勾留された従業員を解雇した事案
PAGE TOP