判例・裁判例コラム

解雇後に会社経営を始めた従業員からのバックペイの請求について判断した事例

札幌地裁R5.4.7
会社が営業所の所長を懲戒解雇した。その後、この元所長は自分で新会社を設立して代表取締役に就任。新会社の営業利益は赤字だが、売上高約7000万円、事業のために2000万円超の借入れをし、車両等をリースし、従業員2名を雇用している。この元所長が懲戒解雇は無効だとして前職に労働契約上の地位の確認と解雇後の賃金(バックペイ)の支払を請求する訴訟を提起。

→前職における就業規則は周知性を欠き、懲戒解雇は無効。ただし、元所長が容易に新会社の事業を譲渡して前職での就労を再開できるとも解し難く、前職における就労の意思を有するとは認められないとしてバックペイの請求は認めず。

パソコンの共有フォルダに保存した就業規則の効力前のページ

退職後6か月間、半径2キロ以内での独立開業を禁止する競業避止規定の効力次のページ

ピックアップ記事

  1. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  2. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  3. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…
  4. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  5. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    年下女性社員を「ちゃん」付けで呼ぶのはハラスメント?東京地裁の判断

    東京地裁R7.10.23 宅配便会社に勤務する女性従業員(昭和57年…

  2. 判例・裁判例コラム

    実質個人経営の居酒屋を経営する会社代表者の責任

    東京地裁R5.3.23居酒屋で勤務する33歳の従業員が突然死…

  3. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.5.15)
  4. 判例・裁判例コラム

    パソコンの共有フォルダに保存した就業規則の効力

    東京地裁H31.3.25 派遣会社が、就業規則で退職後に自社の機密情…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    コンベア事故でも会社は責任なし?“手を入れるとは想定外”とした裁判所の判断
  2. 判例・裁判例コラム

    小学校4年生の子を育てる看護師からの夜勤免除申請に病院は応じる義務を負うか?
  3. 判例・裁判例コラム

    懲戒処分前の弁明の機会付与に従業員側弁護士を同席させる義務はある?
  4. 判例・裁判例コラム

    会社が60年以上続けていた従業員への年3000円の支給を中止したことが争われた事…
  5. 判例・裁判例コラム

    『意味不明』『成果が見えない』などのコメントはアウト? 報告書への赤入れがパワハ…
PAGE TOP