判例・裁判例コラム

「3月末定年」を“誕生日退職”に変更!最大1年の賃金が消える就業規則変更の効力は?

東京地裁R6.3.27
学校法人が、就業規則で正職員の定年退職日を満60歳に達した年度の3月末と定めていたが、これを満60歳の誕生日を定年退職日とする内容に変更。約8年後に定年退職になった職員らが変更は無効だと主張した。
→3月31日が誕生日の職員を除き定年退職の時期が早まることになり、不利益変更にあたる。最大で約1年定年退職日を早くするものであり、その間、定年退職前の賃金の支払を受けることができなくなるから、不利益は相当大きい。また、学校においては、毎年4月から翌3月までの年度ごとに予定が組まれることが多く、年度途中で労働者が退職することは支障が生じるおそれがあり、変更後の就業規則の内容が相当であるとは認められない。さらに、変更について過半数代表者の同意は得たものの、教員の一部により結成された労働組合には変更の1年以上後に開かれた団体交渉において変更の理由を説明したにとどまり、変更前にその内容について交渉したとは認められない。就業規則の変更は合理性を欠き、無効であると判断。

精神疾患による休職を隠して応募した労働者。試用期間中の解雇は有効か?東京地裁の判断前のページ

定年後は仕事が同じでも給与は半分以下!名古屋高裁が会社に賠償命令!次のページ

ピックアップ記事

  1. 232名が一斉に退職前の有給消化を申請した場合に時季変更権行使が認められる?(大…
  2. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  3. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…
  4. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  5. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    どのくらいの時間数の副業なら本業に支障を生じさせると認められる?

    東京地裁R3.7.8集団住宅の管理員として有期雇用されていた…

  2. 判例・裁判例コラム

    長時間労働者に早く帰宅するように指導しても帰らない場合に会社がとるべき対応

    大阪地裁H20.5.26長時間労働のシステムエンジニアがうつ状態と診…

  3. 判例・裁判例コラム

    美容師の退職後の競業避止義務違反に6万円の賠償命令!東京地裁の判断の理由とは?

    東京地裁R7.3.26表参道で美容院を営む会社が、自社店舗と他社から…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    残業許可制について厳格な運用をしていたと認められた事例
  2. 判例・裁判例コラム

    パワハラ主張を乱発して上司を畏怖させる従業員の解雇! 評価の“遠慮”と“やさしさ…
  3. 判例・裁判例コラム

    就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?
  4. 判例・裁判例コラム

    郵便局職員の制服への着替え時間は労働時間?
  5. 判例・裁判例コラム

    従業員の退職後の競業避止義務違反について1000万円の支払命令。大阪高裁の判断の…
PAGE TOP