判例・裁判例コラム

退職勧奨に応じない社員に対する休業命令は適法?東京地裁の判断

東京地裁R7.9.11
在宅勤務の従業員が、代表者に相談なく、会社の重要な取引先に、謝罪を求めるメールを送信。この従業員は、過去にも繰り返し複数の取引先とトラブルを起こしていた。会社はこの従業員に退職勧奨を行ったが、従業員は、退職には応じないと回答し、裁判所での解決を求めると発言。3日後、会社は、この従業員に1か月間の会社都合による休業命令を発令し、社員証、貸与パソコン等の備品を返却させた。
→従業員の自由な意思決定を侵害するような違法な退職勧奨があったとまではいえない。しかし、会社が発令した休業命令は、従業員が裁判所での解決を求めると発言したことが一つのきっかけとなっており、貸与パソコンのみならず社員証を返却させていることからすると、もはや退職に追い込む意図が存在したことがうかがえる。休業命令は合理的な理由を認めることができず、業務命令権を濫用したものであり、違法な不法行為であると判断

無断で直行直帰を繰り返す職員!“減給処分”はやりすぎ? -東京地裁が処分は無効と判断した2つの理由前のページ

ピックアップ記事

  1. 労働時間を自己申告させていた会社における安全配慮義務違反の判断事例(宮崎地裁R6…
  2. 就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?(東京地裁R5.12.14)
  3. 業務命令に応じない従業員への対応事例(東京地裁R5.11.15)
  4. クレーム発生や不規則勤務・時間外労働がある場合の突然死は過労死?(宮崎地裁R6.…
  5. 【フリーランス保護法対応セミナー】契約書ひな形や支払サイトの見直し、相談窓口の整…

関連記事

  1. 判例・裁判例コラム

    佐賀地裁R3.4.23

    介護事業者が入所者への虐待疑いで起訴された職員を保釈後も無給で休職…

  2. 判例・裁判例コラム

    休職について説明したにすぎず休職を命じていないとされた事例

    大阪地裁H25.1.18バス会社の従業員が通勤中の交通事故で…

  3. 判例・裁判例コラム

    休職者が産業医の面談は圧迫面接だと主張した事案

    名古屋地裁R3.8.23うつ病による休職からの復職後、再度休…

  4. 判例・裁判例コラム

    会社の要請に反する行動を理由とする降格

    仙台高裁R5.1.26基本給=等級給+評価給と定め、等級給は等級に応…

アーカイブ

  1. 判例・裁判例コラム

    精神疾患からの復職にあたり、配転命令を拒否する従業員への対応事例
  2. 判例・裁判例コラム

    パワハラ主張を乱発して上司を畏怖させる従業員の解雇! 評価の“遠慮”と“やさしさ…
  3. 判例・裁判例コラム

    会社はどこまで注意喚起すれば安全配慮義務を果たしたといえる?
  4. 判例・裁判例コラム

    就業規則に降給の規定を置けば給与の減額は可能?
  5. 判例・裁判例コラム

    懲戒解雇の通知後に行った予備的普通解雇が無効とされた事案
PAGE TOP