最高裁R7.4.17
京都市交通局に勤務するバス運転手が運賃1000円を着服。交通局はこの運転手を懲戒免職処分とし、退職手当1211万円を全額不支給とした。大阪高裁は、全額不支給は酷に過ぎ、違法と判断。交通局が最高裁に上告した。
→公務の遂行中に職務上取り扱う公金を着服したというものであって、それ自体、重大な非違行為。バスの運転手は、乗客から直接運賃を受領し得る立場にある上、通常1人で乗務することから、その職務の性質上運賃の適正な取扱いが強く要請される。着服金額が1000円であり、弁償が行われていることや、約29年にわたり勤続し、その間に一般服務や公金等の取扱いを理由とする懲戒処分を受けたことがないこと等を考慮しても、全部不支給処分を取り消すべき理由はないと判断