判例・裁判例コラム

当日欠勤・早退が続く従業員をシフトから排除は違法?→おにぎり店経営会社に賃金支払命令【東京地裁】

東京地裁R7.10.30
おにぎり店経営会社に時給1200円で採用されたシフト制従業員が、体調不良による当日欠勤・早退、発熱による欠勤などを繰り返した。  店長は面談でこの従業員に「欠勤・早退が多い、自己管理してほしい」と指導。
これに対し、従業員は、「してます。してます。」「してて、これです。それ以上のことは私はできないです。」と発言。
店長は「だとしたらシフトにそんなもん入れられないね。だってみんなちゃんと来てるんだもん。」「重要なとこでシフト入れない」などと伝えた。
そして、面談の6日後から、この従業員がシフト申請してもシフトに一切入れず、この従業員を、シフト表を告知するグループLINEからも退会させた。
これに対し、従業員はシフトに入れられず働けなかったことは会社の責めに帰すべき事由によるとして、働けなかった期間について賃金を請求した。
→店長は、面談後も、この従業員からシフト申請がされていることを認識していながら、従業員の体調管理の状況や体調の改善状況などの確認をすることなく、シフト勤務日を指定しなかった。
シフト決定権限を濫用して正当な理由なくシフト勤務日の指定をしなかった違法があるから、従業員が働けなかったことについて、会社の責めに帰すべき事由がある。
従業員は、会社に採用された際、社会保険に加入可能な仕事を探しており、採用面接において、社会保険への加入が可能であることを確認した上でシフト制による雇用契約を締結しているから、この従業員の月額賃金は、少なくとも月額9万6000円(=時給1200円×20時間×4週間)を下らない。
シフトから排除された後の期間について、会社に賃金支払命令。

おにぎり店を何人の従業員で回していたのかわかりませんが、おそらく少人数だと思われます。
そうすると、当日欠勤などでシフトに穴が開くのは支障が大きく、会社として当日欠勤を繰り返す従業員をシフトに入れたくないという気持ちも理解できます。
しかし、感情が先に立ち、理屈をわきまえずに、シフトから一方的に排除してしまったことは失敗でした。
また、この事案も、就業規則で一定の対応ができたと思われる事案です。その意味では準備不足の側面もあります。
新刊「裁判例に学ぶ就業規則」の出版記念セミナーではシフト制勤務における就業規則の留意点もとりあげたいと思います。

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