東京地裁R7.8.8
映像配信等を事業とする会社が女性従業員を採用。
就業開始日を10月21日、試用期間3か月とした。
女性は10月21日と24日は出勤したが、10月25日から11月2日までの勤務日を欠勤。
会社はこの女性を解雇した。
→10月25日から27日までは生理による体調不良であると考えられ、これらの欠勤は正当な理由がある。
10月28日以降の欠勤についても、27日、30日、11月1日などに通院していることからすれば、実際に体調不良であったと認められる。
もっとも、女性は、10月28日に通院の予定がないのに以前から予定されていた検査があるとしてそれを理由に欠勤を求め、10月31日は病院を受診していないのに新たな病院に受診すると連絡し、11月2日も病院を受診していないのに病院を受診すると会社に連絡した。
これらは、欠勤についての虚偽の連絡というべきであるが、このことをもって10月28日、10月31日、11月2日の欠勤について正当な理由がないとはいえない。
正しく欠勤の理由を伝えなかったことは、勤務態度上問題ではあるが、会社は、女性がこのような連絡をした理由やそのような態度を改める可能性があるかを確認しておらず、直ちに改善の余地がないとはいえない。
解雇無効と判断。 地位確認請求を認容し、会社に1000万円超の支払命令。
会社として新しい人を迎えるためにいろいろと準備もしてきたのに、2日出勤しただけで欠勤が続くということがあれば、今回の採用は失敗だったと感じる会社も多いように思います。
そのうえで、さらに通院を理由に休むと言っていたのに、実は通院していなかったことが分かった場合、信頼関係も崩れてしまい、ポストの事案のように解雇という判断をしたくなる気持ちもわかる気がします。
特に、ポストの事案の女性は、49歳で相応の年齢に達しており、勤務初日にも10分未満ですが遅刻していました(道がわからなくなったと説明)。
ただ、裁判所は、「原告が正しく欠勤の理由を伝えなかったことは、勤務態度上問題ではあるが、被告は、原告が以上のような連絡をした理由やそのような態度を改める可能性があるかについて確認することをしておらず、直ちに改善の余地がないとはいえない。」と判示しています。
このような判示からすれば、もし本件のような事案についての対応の相談を会社から受けた際は、本件のような裁判例があることを示したうえで、まず、そのような嘘の連絡をした理由を本人に確認し、本人が態度を改善する余地があるのであれば少なくとも解雇は控えるべきだという助言をすべきだということになりそうです。






