判例・裁判例コラム

年下女性社員を「ちゃん」付けで呼ぶのはハラスメント?東京地裁の判断

東京地裁R7.10.23
宅配便会社に勤務する女性従業員(昭和57年生まれ)が男性従業員(昭和53年生まれ)からハラスメントを受けたとして訴訟を提起。
ハラスメントの内容として、不審な電報便の送付、「かわいい」という発言、下着や体型に関する発言などのほか、日常的に「Aちゃん」と呼んでいたこともハラスメントにあたると主張した
→男性はこの女性従業員のことを日常的に「Aちゃん」という愛称で呼んでいたことが認められる。
「ちゃん」付けという呼称は、一般的には幼少の子どもに対して用いられ、成人に対して用いられるのは交際相手等の親密な関係にある場合が多く、業務上においてこのような呼称を用いる必要性は直ちには見出し難い。
親しみを込めて上記の呼称を用いていたとしても、両者の年齢や性別、本件営業所に勤務する従業員同士にすぎない関係性等に照らすと、「ちゃん」付けで呼ぶことは女性従業員に不快感を与えるものであったといえる。
なお、厚生労働省が公表している「心理的負荷による精神障害の認定基準」においても、「「○○ちゃん」等のセクシュアルハラスメントに当たる発言をされた」ことが心理的負荷を与える出来事の例として挙げられている。不審な電報便の送付、「かわいい」という発言、下着や体型に関する発言、日常的に「Aちゃん」という呼称を用いるなどの不適切な行為が令和3年5月頃から同年11月頃までの間に繰り返し行われたものであること、男性が女性従業員の上司に類する立場にあったことも踏まえれば、一連の行為は、違法なハラスメントとして、不法行為に当たるというべきであると判断

結論として、男性は22万円の損害賠償を命じられました。
社内で、可愛いだとか美人だとか、「ちゃん」付けで呼ぶとかは、昭和の時代なら許されたのかもしれませんが、いまはそういう時代ではありませんね。

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